THE BOOK OF THE TEA Tenshin Okakura Japanese Translate

岡倉天心の茶の本を現代語訳で解説!THE BOOK OF TEA

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明治の芸術を拓いた岡倉天心(覚三)が著した「茶の本」。茶道(tea ceremony)について英語を話す人向けに解説した本です。1906年(明治39年)にアメリカのニューヨークで出版されました。このページでは私が現代語訳に挑戦しています。実際に日本語に訳してみると彼の英語力が並外れているだけでなく知的な表現で溢れかえっています。この本は単にイギリス人やアメリカ人向けのガイドブックではなく知識階級の人に向けて書かれた高尚な本であることがわかります。

最終更新日は2021年1月31日です。1章の5段落目まで翻訳しました。

Index

岡倉天心の「茶の本」は全部で7章です。

  • The Cup of Humanity – 1
  • The Schools of Tea – 2
  • Taoism and Zennism – 3
  • The Tea- Room – 4
  • Art Appreciation – 5
  • Flowers – 6
  • Tea-Masters 7

注意点

この日本語訳はこのページを作っている私が何日もかけて自力で翻訳したものです。誤りも多いかと思います。訳文に著作権があるのかわかりませんが、苦労して書いたものなので転載はしないようにお願いします。

The Cup of Humanity 思いやりの茶碗

村岡博むらおかひろしの翻訳版「茶の本」(青空文庫)では「人情の碗」と書かれています。私は思いやりの茶碗と訳しました。というのもこの章の中に書かれているのは茶道の温かな思いやりについてだからです。人情と訳すが一番しっくりくるのは間違いありません。今回はより直接的な意味である慈愛という言葉を使おうと思いましたが、思いやりと訳しました。この章を読むだけでも岡倉天心に対する誤解や偏見へんけん幾分いくぶん解けるのではないかと思います。私にとっては目からうろこの体験でした。

paragraph 1

Tea began as a medicine and grew into a beverage. In China, in the eighth century, it entered the realm of poetry as one of the polite amusements. The fifteenth century saw Japan ennoble it into a religion of aestheticism–Teaism. Teaism is a cult founded on the adoration of the beautiful among the sordid facts of everyday existence. It inculcates purity and harmony, the mystery of mutual charity, the romanticism of the social order. It is essentially a worship of the Imperfect, as it is a tender attempt to accomplish something possible in this impossible thing we know as life.

paragraph 1 English words

  • ennoble 高尚にする
  • aestheticism 唯美主義
  • Teaism 茶道
  • adoration 崇拝
  • sordid 俗な
  • inculcates ~に教え込む
  • romanticism ロマン主義(現実よりも興奮的に神秘的に聞こえるように物事を説明すること)

第一段落 日本語訳

お茶は薬として始まり飲み物へと成長しました。中国では、18世紀に、洗練された娯楽のひとつとして詩(詩的感興かんきょう)の領域に入りました。日本は15世紀に、茶道を唯美ゆいび主義の宗教にまで高尚にしました。茶道は生きとし生けるものの世俗の事実の間にある美への崇拝を礎とした信仰です。それは純粋さと調和、相互に思いやりあう神秘、社会秩序のロマン主義を教え込みます。 それは、私たちが人生として知っているこの不可能なことで可能なことを達成するための華奢な試みであるため、本質的に不完全さへの崇拝です。

私の解釈

ここで岡倉天心は茶道が中国よりも300年早く発達したと自慢しています。凄いと言いたいようです。実のところ中国も朝鮮も茶の文化は前からあってそれぞれ発展していました。おらがクニの茶の道はすごいぞ~と言いたいようです。

社会秩序のロマン主義という言葉は日本の秩序を茶室を通じて主観的に感覚的に非言語で秩序を教え込む場として茶道があるという意味でしょう。この意味は漢字文化圏の人にしか理解できないと思います。何を言っているのか他の外国人にはわからないと思います。日常世界で不可能なことを可能にする試みが茶の道であると述べています。あいまいなのでさらに何を言っているのか俗な私には本当の意味まではわかりません。おそらくは茶道的平等のことを示唆しているのかと思います。

paragraph 2

The Philosophy of Tea is not mere aestheticism in the ordinary acceptance of the team for it express conjointly with ethics and religion our whole point of view about man and nature. It is hygiene, for it enforces cleanliness; it is economics, for it shows comfort in simplicity rather than in the complex and costly; it is moral geometry, inasmuch as it defines our sense of proportion to the universe. It represents the true spirit of Eastern democracy by making all its votaries aristocrats in taste.

paragraph2 English words

  • mere ほんの
  • conjointly 共同して
  • hygiene 衛生
  • cleanliness 清潔
  • simplicity 質素な
  • geometry 幾何学
  • inasmuch as ~だから
  • defines 意味を明らかにする 定義する
  • universe 宇宙
  • votary 信奉者
  • aristocrat 貴族階級の人
  • in taste 上品な

第二段落 日本語訳

茶の哲学は人間と自然に関するすべての視点を倫理と宗教で共同して表現する一連の平凡な容認における単なる耽美主義ではありません。それは清潔さを高めるための衛生です。それは複雑で費用がかかるというよりは質素で快適さを示す経済学です。森羅万象しんらばんしょうにおける私たちの調和の感覚を明らかにするためそれは道徳的な幾何学です。そのすべての上品な貴族階級の信奉者を作ることによって東洋とうようの民主主義の真の精神を表しています。

私の解釈

hygieneという英単語に関して日本語では清潔や衛生状態という意味しかなかったので現代の価値観では意味が通らないと思いつつそのまま訳しました。ケンブリッジ英英辞典で調べて見ても同じだったので今と同じ衛生という意味でほぼ間違いないでしょう。今の常識では茶碗の回し飲みは唾液が茶の汁に入って戻るので不衛生極まりないものです。

茶の道を通じて貴族のようになることを目指したり信じることがどうして民主主義なのか察しの悪い私にはわかりませんが、おそらくは茶室で上下の別が無い特別な雰囲気のことを意味しているのだと思います。茶室の中に限って民主主義という意味なのでしょう。現代で言えば忘年会の無礼講の茶室版みたいな感じですか。下の身分の者にとっての平等は、上の者が下のところまで降りて来て上の者が汚いというような言葉や振る舞いをしてはじめて同じと認められので、岡倉天心の言ってる事は完全に上から目線ですね。下の者も上の者のように上品に振舞ってこそ平等が実現できるのだと。上下のどちら振舞いが心地よいかは人によって意見が分かれるところと思います。

paragraph 3

The long isolation of Japan from the rest of the world, so conducive to introspection, has been highly favorable to the development of Teaism. Our home and habits, costume and cuisine, porcelain, lacquer, painting–our very literature–all have been subject to its influence. No student of Japanese culture could ever ignore its presence. It has permeated the elegance of noble boudoirs, and entered the adobe of the flowers, our meanest labourer to offer his salutation to the rocks and waters. In our common parlance we speak of the man “with no tea” in him, when he is ‎insusceptible‎ to the seriocomic interests of the personal drama. Again we stigmatise the untamed aesthete who, regardless of the mundane tragedy, funs riot in the springtide of emancipated emotions, as one “with too much tea” in him.

paragraph 3 English words

  • conductive 伝導性の
  • cuisine 料理
  • permeate ~に浸透する
  • boudoir 夫人の私室(フランス語)
  • meanest labourer 最下層の労働者
  • salutation 礼
  • parlance 言い回し
  • insusceptible 無神経な
  • seriocomic 真面目だが喜劇的な
  • stigmatise 非難する
  • untamed 自由な
  • aesthete 唯美ゆいび主義者
  • springtide 大潮おおしお
  • emancipated 束縛から解放する

第三段落 日本語訳

日本は世界から長い間孤立していたことで内観ないかんの大きな助けとなり茶道の発展にたいへん好ましい状態でした。私たちの家と風習、衣服や料理、陶磁器、漆、絵画(※確か明治に言葉が作られるまでは日本画というジャンルは無かったと思います)、私たちの大いなる文学はすべて茶道の影響下にあります。すべての日本文化を学ぶ学生は決して茶道の存在を無視することはできません。茶道)は高貴なブードワール(夫人の私室)に優雅さをしみ渡らせ、茶道は花々の住処すみかに入り込み我々最下層の労働者は山水さんすいに礼をささげてきました。私たちの普通の言い方では、個人の趣向で真面目で喜劇的な関心事に無神経な人に対して「茶気ちゃきが無い」と言います。また、私たちは自由な耽美主義者に「茶気が多すぎる」と言って非難します。

第三段落 翻訳者の解釈

岡倉天心おかくらてんしんが言葉を飾り立てて日本文化の素晴らしさを知的に解説しています。Adobeアドビという単語があり日干し煉瓦れんがの花かと思いましたが英英辞典を引いてみるとhomeなどの意味がありましたのでここでは花々の住み家と訳しました。比喩ひゆについて、はっきりとは意味がわかりませんでした。高貴な者から卑しい身分の者まで茶道のこころは染みわたっているということが言いたかったのでしょう。

村岡博の翻訳も見てみましたが、翻訳者は自作の話を付け足しています。

paragraph 4

The outsider may indeed wonder at this seeming much ado about nothing. “What a tempest in a tea-cup!” he will say. But when we consider how small after all the cup of human enjoyment is, how soon overflowed with tears, less thirst for infinity, we shall not blame ourselves for making so much of the tea-cup. Bacchus, we have sacrificed too freely; and we have even transfigured the gory image of Mars. Why not consecrate ourselves to the queen of the Camellias, and ravel in the warm stream of sympathy that flows from her altar? In the liquid amber within ivory-porcelain, the initiated may touch the sweet reticence of Confucius, the piquancy of Laotse, and he ethereal aroma of Sakyamuni himself.

paragraph 4 English words

  • ado 面倒
  • dreg 少量
  • quenchless 抑えられない
  • Bacchus バッカス(酒の神)
  • transfigure ~を美化する
  • gory 血なまぐさい
  • Mars マルス(戦いの神)
  • Camelia 椿
  • revel おおいに楽しむ
  • amber 琥珀色
  • reticence 寡黙
  • Confucius 孔子
  • piquancy 小粋さ
  • Laotse 老子
  • Sakyamuni 釈迦牟尼

第三段落 日本語訳

確かに部外者には何でもないことを(我々が)大変な面倒事と見なすことについて不思議に思うかもしれません。茶碗一杯で何て大騒ぎなんだ!と彼は言うだろう。でも、私たちは、すべての茶碗における人間的な楽しみがいかに小さかろうと思う時、無限大への欲望が渇かずどんなにすぐ涙であふれ返ったと思う時でも、我々は大量の茶碗を作ったことで自分自身を責め立てることはありません。酒の神バッカスに、私たちはあまりにも多くの犠牲を払い、いくさの神マルスの血なまぐさいイメージを美化しました。なぜ椿つばきの女王(※茶のこと)に我々自身を献上しないのか、椿(カメリヤ)の祭壇さいだんから流れる思いやりの温かい流れを大いに楽しんでみようではないか?白磁はくじ象牙ぞうげ色の磁器)中の琥珀こはく色の液体の中に、孔子こうしの甘い寡黙かもくの手ほどきに、老子の痛烈な教えに、釈迦牟尼しゃかむに自身の天上の気品の教えに触れることができるでしょう。

第四段落 私の解釈

比喩ひゆが難しくなってきました。茶碗について大騒ぎすることについて外国人なら不思議に思うに違いないと語っています。その次の行は表現が難しくて意味を汲み取ることはできませんでした。おそらく大量生産された茶碗は楽しみが少なく、幸福感も満ちず、泣いても文句も言えない世の中の不自由さについて話しているのかもしれません。酒のためにお金や命を犠牲にして戦争を美化したことを批判しています。椿の女王は茶の木のことです。茶に自分自身を捧げましょうよと岡倉天心が誘っています。茶道は心優しい道なのだと。このように言われてみると茶道に興味が出て来ませんか?中国茶と紅茶(発酵させたお茶)では儒教と仏陀の教えに触れることができると岡倉天心が褒めています。茶道とその精神をセットで世界に広めようとしている気概が伝わります。

paragraph 5

Those who cannot feel the littleness of great things in themselves are apt to overlook the greatness of little things in others. The average Westerner, in his sleek complacency, will see in the tea-ceremony but another instance of the thousand and one oddities which constitute the quaintness and childishness of the East to him. He was wont to regard Japan as barbarous while she indulged in the gentle arts of peace: he calls her civilized since she began to commit whole-sale slaughter on Manchurian battlefields. Much comment has been given lately to the Code of the Samurai, –the Art of Death which makes our soldiers exult in self-sacrifice; but scarcely any attention has been drawn to Teaism, which represents so much of our Art of Life. Fain would we remain barbarians, if our claim to civilisation were to be based on the gruesome glory of war. Fain would we await the time when due respect shall be paid to our art and ideals.

paragraph 5 English words

  • littleness 小ささ
  • apt to~しがちで
  • overlook ~を見落とす
  • greatness 偉大さ
  • in others 他人への 他の例では
  • complacency 独りよがり
  • instance 実例 事例
  • oddity 奇妙なもの・人
  • was wont to ~するのを常として ~し慣れて(やや古語)
  • regard ~を見なす
  • barbarous 未開の、野蛮な、粗野な、教養のない
  • quaintness 古風で趣があること
  • wont of the Samurai 武士道
  • exult 意気揚々とする
  • fain 喜んで
  • Asiatic アジア人
  • appall ~をぎょっとさせる

第五段落 日本語訳

彼ら自身の偉大なることの小ささを感ずることができない人々は他の人の小さなことの偉大さを見逃しがちです。平均的な西洋人は、彼の洗練された自己満足で茶道を見て、東洋の奇妙で幼稚からなる千と一の変な事例と思うでしょう。西洋(彼)はいつも日本を野蛮と見なします。日本(彼女)が平和で上品な芸術にふけっている間も満州の戦場で大規模な虐殺をして文明開化したと。武士道について最近多くの批評があります。死の術、兵士に喜んで自己犠牲を払わせる術について。しかし茶道については何の注目もされていません。それが生活の術を象徴しているにもかかわらず。文明開化するための要件が戦争のおぞましい栄光に基づくとしたら私たちは喜んで野蛮国に甘んじましょう。もしも我々の芸術と理想に敬意を払う時が到来するまで私たちは喜んで待つでしょう。

第五段落 私の解釈

卑小な己を自覚することができない人々は他人のささやかなことの素晴らしさに気が付かないということを言っていると思います。今風に言えば自我、自己が肥大している者には他人のよいところに気が付かないと言いたいのでしょう。他と比べて裕福で優れていると思っている人が茶道を見るときに変わったことをしているなぁ。西洋人から見れば、日本人は茶碗でままごと遊びをしていると思うだろうと作者は述べています。そして日本は大虐殺をしてはじめて一流国になろうと目覚めたと。最後の一文からは覚三が平和の芸術によって一流国の仲間入りをしようとする意欲が伺えます。

paragraph 6

When will the West understand, or try to understand, the East? We Asiatics are often appalled by the curious web of facts and fancies which has been woven concerning us. We are pictured as living on the perfume of the lotus, if not on mice and cockroaches. It is either impotent fanaticism or else abject voluptuousness. Indian spirituality has been derided as ignorance, Chinese sobriety as stupidity, Japanese patriotism as the result of fatalism. It has been said that we are less sensible to pain and wounds on account of the callousness of our nervous organisation!

paragraph 6 English words

  • lotus 蓮
  • cockroach ゴキブリ
  • fanaticism 狂信
  • abject いやしむべき
  • voluptuousness 心地よさ、官能的なこと
  • deride ~をあざける
  • sobriety 真面目だが喜劇的な
  • callousness 無感覚

第6段落 日本語訳

いつ西の大陸は最果ての東(日本)のことを理解するのか。あるいは理解しようとするのか。我々アジア人は愕然とした。私たちについて織り込まれている事実と妄想の蜘蛛の巣の奇妙さに。私たちは蓮の香りの上に住んでいると思われている。鼠とゴキブリとまではいかないとしても。それは無力な狂信性あるいはあさましい官能性だ。インド人の精神性は無関心だとして嘲笑されてきた。中国人の真面目さは間抜けと嘲笑されてきた。日本人の愛国心は運命論の結果と嘲笑されてきた。神経組織の感覚を欠いている(=無神経な)ためずっと痛みと傷に鈍感だと言われてきた。

第6段落 私の解釈

インドから日本に至る人々のことを西ヨーロッパの人は理解していないことを岡倉天心は怒っています。彼は西欧人の東アジア人に対する妄想を批判しています。東アジア人には繊細な心が無いと思われていることに岡倉天心は腹を立てているのだと思います。厳しい口調ですね。でも当時の西欧人も人権意識など無かったはずです。女性は特に家の外に出で労働者として働くなと言われていました。現代の価値観から見れば、当時の西欧人も東アジア人も心の鈍感さで言うなら彼らとて似たり寄ったり、といったところでしょう。それでも西欧人のほうが東アジア人よりも自由であったのは比べるまでもありません。その中でも貴族と一部の感性の高い人だけが細やかに感情を表現できたと思います。

当時、人の心を細かく観察して内省するという習慣は肉体労働をしなくて良い人にしかできなかったと思います。しかも女性は自らの頭で考えることすら社会的に禁じられていました。考える材料である本すら読む機会がほとんどの人には無かったと思います。思考することすら禁じる東アジアの厳しいカースト制度はより自由に考えられる人から見れば確かに随分と間抜けでみじめに見えたでしょうね。

paragraph 7

Why not amuse yourselves at our expense? Asia returns the compliment. There would be further food for merriment if you were to know all that we have imagined and written about you. All the glamour of the perspective is there, all the unconscious homage of wonder, all the silent resentment of the new and undefined. You have been loaded with virtues too refined to be envied, and accused of crimes too picturesque to be condemned. Our writers in the past–the wise men who knew–informed us that you had bushy tails somewhere hidden in your garments, and often dined off a fricassee of newborn babes! Nay, we had something worse against you: we used to think you the most impracticable people on the earth, for you were said to preach what you never practiced.

paragraph 7 English words

  • compliment 賛辞
  • merriment 面白がって笑うこと
  • glamour 魅力
  • homage 敬意
  • resentment 恨み
  • picturesque 人目を引く
  • condemn 非難する
  • dine off ~と夕食を食べる
  • fricassee 細切れ肉のシチュー
  • impracticable 実行に移すことのできない

paragraph 8

Such misconceptions are fast vanishing amongst us. Commerce has forced the European tongues on many an Eastern port. Asiatic youths are flocking to Western colleges for the equipment of modern education. Our insight does not penetrate your culture deeply, but at least we are willing to learn. Some of my compatriots have adopted too much of your customs and too much of your etiquette, in the delusion that the acquisition of stiff collars and tall silk hats comprised the attainment of your civilisation. Pathetic and deplorable as such affectations are, they evince our willingness to approach the West on our knees. Unfortunately the Western attitude is unfavourable to the understanding of the East. The Christian missionary goes to impart, but not to receive. Your information is based on the meagre translations of our immense literature, if not on the unreliable anecdotes of passing travellers. It is rarely that the chivalrous pen of a Lafcadio Hearn or that of the author of “The Web of Indian Life” enlivens the Oriental darkness with the torch of our own sentiments.

paragraph 8 English words

  • compatriot 同国人
  • delusion 妄想
  • attainment 到達
  • pathetic 酷い、情けない
  • deplorable 嘆かわしい
  • affectation 虚飾
  • impart ~を分け与える
  • anecdote 逸話
  • chivalrous 騎士道的な
  • Lafcadio Hern ラフカディオ・ハーン(1850-1904年 小泉八雲)
  • The Web of Indian Life 『インド生活の仕組み』ニヴェディタ著

paragraph 9

Perhaps I betray my own ignorance of the Tea Cult by being so outspoken. Its very spirit of politeness exacts that you say what you are expected to say, and no more. But I am not to be a polite Teaist. So much harm has been done already by the mutual misunderstanding of the New World and the Old, that one need not apologise for contributing his tithe to the furtherance of a better understanding. The beginning of the twentieth century would have been spared the spectacle of sanguinary warfare if Russia had condescended to know Japan better. What dire consequences to humanity lie in the contemptuous ignoring of Eastern problems! European imperialism, which does not disdain to raise the absurd cry of the Yellow Peril, fails to realise that Asia may also awaken to the cruel sense of the White Disaster. You may laugh at us for having “too much tea,” but may we not suspect that you of the West have “no tea” in your constitution?

paragraph 9 English words

  • betray ~を裏切る・漏らす
  • tithe 十分の一税(比喩)
  • furtherance 促進
  • sanguinary 血なまぐさい
  • condescend (わざと)へりくだる
  • dire 恐ろしい
  • contemptuous 軽蔑的な
  • imperialism 帝国主義
  • disdain ~を軽蔑する ~を恥とする
  • Yellow Peril 黄禍(黄色人種が白色人種を脅かすこと)
  • White Disaster 白禍(白色人種が黄色人種を脅かすこと)

paragraph 10

Let us stop the continents from hurling epigrams at each other, and be sadder if not wiser by the mutual gain of half a hemisphere. We have developed along different lines, but there is no reason why one should not supplement the other. You have gained expansion at the cost of restlessness; we have created a harmony which is weak against aggression. Will you believe it?–the East is better off in some respects than the West!

paragraph 10 English words

  • epigram 警句
  • hemisphere 半球
  • restlessness 不穏な状態
  • aggression 侵略
  • esteem 尊敬

paragraph 11

Strangely enough humanity has so far met in the tea-cup. It is the only Asiatic ceremonial which commands universal esteem. The white man has scoffed at our religion and our morals, but has accepted the brown beverage without hesitation. The afternoon tea is now an important function in Western society. In the delicate clatter of trays and saucers, in the soft rustle of feminine hospitality, in the common catechism about cream and sugar, we know that the Worship of Tea is established beyond question. The philosophic resignation of the guest to the fate awaiting him in the dubious decoction proclaims that in this single instance the Oriental spirit reigns supreme.

paragraph 11 English words

  • scoff あざ笑う 馬鹿にする
  • catechism 教理問答 やつぎばやの質問
  • dubious ~と疑問に思う
  • decoction 煎茶
  • reign supreme 君臨する

paragraph 12

The earliest record of tea in European writing is said to be found in the statement of an Arabian traveller, that after the year 879 the main sources of revenue in Canton were the duties on salt and tea. Marco Polo records the deposition of a Chinese minister of finance in 1285 for his arbitrary augmentation of the tea-taxes. It was at the period of the great discoveries that the European people began to know more about the extreme Orient. At the end of the sixteenth century the Hollanders brought the news that a pleasant drink was made in the East from the leaves of a bush. The travellers Giovanni Batista Ramusio (1559), L. Almeida (1576), Maffeno (1588), Tareira (1610), also mentioned tea. In the last-named year ships of the Dutch East India Company brought the first tea into Europe. It was known in France in 1636, and reached Russia in 1638. England welcomed it in 1650 and spoke of it as “That excellent and by all physicians approved China drink, called by the Chineans Tcha, and by other nations Tay, alias Tee.”

paragraph 12 English words

  • Canton 広東
  • Marco Polo マルコ・ポーロ(イタリア人冒険家 1254-1324年)
  • deposition 罷免
  • arbitrary 独断的な
  • argumentation 増加
  • Hollander オランダ人
  • Giovanni Batista Ramusio ジョバンニ・バチスタ・ラムシオ(イタリア人の地理学者) L.Almeida L. アルメイダ(ポルトガル人の医師・商人)
  • Maffeno マフェノ
  • Tareira タレイラ
  • Dutch East India Company オランダ東インド会社(1602-1799年)
  • physician 内科医
  • alias 別名
  • heretic 異端者

paragraph 13

Like all good things of the world, the propaganda of Tea met with opposition. Heretics like Henry Saville (1678) denounced drinking it as a filthy custom. Jonas Hanway (Essay on Tea, 1756) said that men seemed to lose their stature and comeliness, women their beauty through the use of tea. Its cost at the start (about fifteen or sixteen shillings a pound) forbade popular consumption, and made it “regalia for high treatments and entertainments, presents being made thereof to princes and grandees.” Yet in spite of such drawbacks tea-drinking spread with marvellous rapidity. The coffee-houses of London in the early half of the eighteenth century became, in fact, tea-houses, the resort of wits like Addison and Steele, who beguiled themselves over their “dish of tea.” The beverage soon became a necessity of life–a taxable matter. We are reminded in this connection what an important part it plays in modern 4 The Book Of Tea By Kakuzo Okakura www.globalgrey.co.uk history. Colonial America resigned herself to oppression until human endurance gave way before the heavy duties laid on Tea. American independence dates from the throwing of tea-chests into Boston harbour.

paragraph 13 English words

  • Henry Saville ヘンリー・サヴィル(イギリス人の政治家)
  • denounce 公然と非難する
  • filthy 不潔な
  • Jonas Hanway ジョナス・ハンウェイ(イギリス人の慈善活動家)
  • stature 身長
  • comeliness 容姿のよさ
  • forbade forbidの過去形
  • regalia 王位の象徴 華麗な衣装
  • grandee 高官
  • marvelous とても素晴らしい
  • resort of wits 知識人がよく行く場所
  • Addison アディソン(イギリス人の随筆家 1672-1719年)
  • Steel(イギリス人のジャーナリスト 1672-1729年)
  • beguile ~を楽しませる ~を騙してさせる
  • resign oneself to ~で妥協する
  • lay on ~に課る
  • tea-chest 紅茶箱

paragraph 14

There is a subtle charm in the taste of tea which makes it irresistible and capable of idealisation. Western humourists were not slow to mingle the fragrance of their thought with its aroma. It has not the arrogance of wine, the self- consciousness of coffee, nor the simpering innocence of cocoa. Already in 1711, says the Spectator: “I would therefore in a particular manner recommend these my speculations to all well-regulated families that set apart an hour every morning for tea, bread and butter; and would earnestly advise them for their good to order this paper to be punctually served up and to be looked upon as a part of the teaequipage.” Samuel Johnson draws his own portrait as “a hardened and shameless tea drinker, who for twenty years diluted his meals with only the infusion of the fascinating plant; who with tea amused the evening, with tea solaced the midnight, and with tea welcomed the morning.”

paragraph 14 English words

  • humorists ユーモアのある人
  • mingle 混ぜる 一緒にする
  • simper 作り笑いをする にやにや笑う
  • Spectator スペクテーターという名前の新聞(1711年)
  • speculation 推測 憶測
  • well-regulated 規則正しい
  • set apart 取っておく
  • tea-equipage ティーセット
  • Samuel Johnson サミュエル・ジョンソン(イギリスの文学者 1709-1784年)
  • dilute 薄める
  • infusion 注入 茶などの煎じ出したもの
  • solace ~を慰める

paragraph 15

Charles Lamb, a professed devotee, sounded the true note of Teaism when he wrote that the greatest pleasure he knew was to do a good action by stealth, and to have it found out by accident. For Teaism is the art of concealing beauty that you may discover it, of suggesting what you dare not reveal. It is the noble secret of laughing at yourself, calmly yet thoroughly, and is thus humour itself,–the smile of philosophy. All genuine humourists may in this sense be called tea-philosophers,–Thackeray, for instance, and of course, Shakespeare. The poets of the Decadence (when was not the world in decadence?), in their protests against materialism, have, to a certain extent, also opened the way to Teaism. Perhaps nowadays it is our demure contemplation of the Imperfect that the West and the East can meet in mutual consolation.

paragraph 15 English words

  • Charles Lamb チャールズ・ラム(イギリス人の作家 1775-1834年)
  • professed 公然の
  • devotee 愛好者
  • stealth こっそりすること
  • conceal 隠す
  • tea philosopher 茶人
  • Thackeray サッカレー(イギリスの作家 1811-1863)
  • Decadence デカダン
  • materialism 物質主義
  • demure 控え目な
  • contemplation 黙想 熟考
  • mutual consolation 相互の慰め

paragraph 16

The Taoists relate that at the great beginning of the No-Beginning, Spirit and Matter met in mortal combat. At last the Yellow Emperor, the Sun of Heaven, triumphed over Shuhyung, the demon of darkness and earth. The Titan, in his death agony, struck his head against the solar vault and shivered the blue dome of jade into fragments. The stars lost their nests, the moon wandered aimlessly among the wild chasms of the night. In despair the Yellow Emperor sought far and wide for the repairer of the Heavens. He had not to search in vain. Out of the Eastern sea rose a queen, the divine Niuka, horn-crowned and dragon-tailed, resplendent in 5 The Book Of Tea By Kakuzo Okakura www.globalgrey.co.uk her armor of fire. She welded the five-coloured rainbow in her magic cauldron and rebuilt the Chinese sky. But it is told that Niuka forgot to fill two tiny crevices in the blue firmament. Thus began the dualism of love– two souls rolling through space and never at rest until they join together to complete the universe. Everyone has to build anew his sky of hope and peace.

paragraph 16 English words

  • Yellow Emperor 黄帝(中国神話の皇帝 BC2510-2488年)
  • Sun of Heaven 天子(中国または日本の皇帝のこと)
  • triumph 勝利する Shuhyung 祝融(中国の火の神)
  • Titan 巨人
  • agony 激しい苦痛
  • solar vault (日光を通す)アーチ形の天井
  • jade 翡翠
  • in vain 無駄に
  • divine 神
  • Niuka 女媧じょか(中国の人間の創造神)
  • cauldorn 大釜
  • crevice 裂け目
  • firmament 天空
  • dualism 二元論

paragraph 17

The heaven of modern humanity is indeed shattered in the Cyclopean struggle for wealth and power. The world is groping in the shadow of egotism and vulgarity. Knowledge is bought through a bad conscience, benevolence practiced for the sake of utility. The East and the West, like two dragons tossed in a sea of ferment, in vain strive to regain the jewel of life. We need a Niuka again to repair the grand devastation; we await the great Avatar. Meanwhile, let us have a sip of tea. The afternoon glow is brightening the bamboos, the fountains are bubbling with delight, the soughing of the pines is heard in our kettle. Let us dream of evanescence, and linger in the beautiful foolishness of things.

paragraph 17 English words

  • anew あらためて
  • Cyclopean ひとつ目の巨人のような 巨大な
  • grope 手探りする
  • egotism 利己主義
  • vulgarity 俗悪
  • benevolence 慈悲心
  • ferment 発酵させる かき立てる
  • devastation 荒廃
  • Avatar アヴァターラ(ヒンドゥー教の救いの神)
  • bubble 泡 煮えたぎる
  • sough (風で)ひゅーひゅー(音が)鳴る そよぐ
  • pine 松 evanescence はかなさ
  • linger 長居する

編集後記

2021年1月29日に4段落目まで翻訳しました。31日に5段落目を翻訳しました。2021年11月22日にページを公開し6段落目を翻訳しました。

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